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若手社員の離職を防ぐ社内コミュニケーション術|中小企業が今すぐ取り組むべき雑談・面談の活かし方

若手社員は何を求めているのか|調査から見えたリアルな社内コミュニケーション事情

若手社員の社内コミュニケーションに関する最新調査によれば、最も交流したい相手は「仕事で直接関わる先輩」であり、64%以上が回答しました。次いで「1つ上の上司」「価値観の合う先輩」が続きます。若手社員の多くは、業務に関わる人との信頼関係を重視している姿勢がうかがえます。

また、求める交流手段として最も多かったのは「就業時間内の雑談」。次に「休憩時間や前後の雑談」「平日のランチ」が続きました。一方、「SNS」や「チャット」での交流を求める声は少なく、リアルコミュニケーションの重要性が若手社員の間で再認識されていることも特徴的です。

「職場の人間関係」を重視する若手ほど、就業時間内外の雑談を求める傾向が強く、一方で「仕事を通じた成長」を求める若手は、雑談に加えて「面談」を重要視するという結果も出ています。さらに離職意向の高い若手社員は、雑談よりも「面談」を求める割合が高いことも明らかになりました。

また、上司と良好な関係を築いている若手ほど、周囲の先輩と仕事以外の交流を「頻繁に持っている」傾向が強いことも示されました。コミュニケーションの質が、上司との関係性や職場の定着度に直結していることが読み取れる結果です。

中小企業にこそ「雑談」と「面談」の設計が重要

私が、多くの中小企業からの相談を受ける中で、この調査結果はとても実感を伴う内容です。特に100人未満の企業では、制度や福利厚生以上に「人間関係の質」が離職率を左右する場面を数多く見てきました。

今回の調査から読み解ける最大のポイントは、若手が求めているのは決して「派手なイベント」や「飲み会」ではなく、日常的な雑談や業務の合間のコミュニケーションだということです。中小企業にとっては、コストをかけずに取り組める施策であり、これは大きなメリットといえます。

また、「成長を実感したい」「不安を相談したい」と感じる若手ほど、面談のニーズが高いことも重要です。多くの企業で「面談=評価の説明」という扱いになっていますが、若手が求めているのは「キャリアや働き方の相談をフラットにできる場」です。「評価」ではなく「対話」の場として設計することが定着率向上に直結します。

さらに、上司との関係性が良好な若手は仕事以外の交流も積極的に行っているという結果は、心理的安全性が高いチームの特徴と一致します。仕事の悩みを相談しやすい環境は、離職防止・早期戦力化にも効果があります。

総じて、中小企業が若手定着を目指すうえで最も効果の高い施策は、次の三つに集約されます。

  1. 日常的な雑談の場を意図的につくる

  2. 面談を「評価の説明の場」から「対話の場」に変える

  3. 上司・先輩社員が心理的安全性を理解し、信頼関係を育むこと

これらは制度構築よりも「現場の行動変容」が中心であり、即日で着手できる取り組みです。

中小企業が今すぐできる実務ワンポイントアドバイス

若手社員の職場定着を高めるためには、形式的なコミュニケーション施策よりも、日常の「雑談」と「傾聴」をシステムとして組み込むことが有効です。まず、部署ごとに「話しかけても良い時間帯」を設定し、業務に支障が出ない範囲で自然な交流が生まれる仕組みをつくるのも良いでしょう。

また、月1回の短時間1on1を制度化し、評価ではなくキャリアや不安の共有に焦点を置くことが肝要です。

最後に、上司・先輩社員向けに心理的安全性や傾聴の基礎スキルを学ぶ簡易研修を導入することで、現場でのコミュニケーションの質が安定します。コストをかけず、離職防止と育成に直結する取り組みとして非常に効果的です。

 

 

 

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