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社員の幸せが下がる時代に、中小企業ができる“ウェルビーイング経営”とは

「働く幸せ」を感じる人が減少中

パーソル総合研究所が発表した「はたらく人のウェルビーイング実態調査2025」によると、「働くことを通じて幸せを感じている」と答えた人の割合は40.8%。2020年より3.1ポイント低下しました。特に「自己成長」「チームワーク」「他者承認」「他社貢献」など、働く中での充実感を支える要素が軒並み低下しています。

若年層では「リフレッシュ不足」や「過重労働負荷」、中高年層では「評価不満」が課題として残り、世代を問わず“報われなさ”を感じる人が増えているようです。単なる「働きやすさ」ではなく、「働きがい」が損なわれていることがうかがえます。

ウェルビーイング低下の背景と企業への示唆

ウェルビーイングの低下は、単なる景気や制度の問題ではなく、職場文化や人間関係の質に深く関係しています。特に中小企業では、人数が少ない分、一人ひとりの存在感が大きく、上司や経営者の言動が職場の空気に直結します。
ここで重要なのは、「社員が自分の成長を実感できるか」「自分の努力が認められているか」「自分の仕事が誰かの役に立っていると感じられるか」という3つの視点です。

近年の若手社員は、給与や福利厚生よりも「承認」「成長」「意義」を重視する傾向がより強まっています。にもかかわらず、中間管理職層が忙しさに追われ、部下との対話時間が減少している企業も多いのが現実です。その結果、「評価されない」「何のために働いているのかわからない」という感情が蓄積し、ウェルビーイングの低下につながっています。

経営者としては、“制度”よりも“関係性”に目を向けることが求められます。組織における信頼関係の再構築が、これからの人材定着・育成の鍵です。

中小企業が実践すべき「ウェルビーイング経営」のポイント

  1. 評価の「納得感」を高める
     数値評価だけでなく、「どんな行動が会社に貢献したか」を言葉で伝えるフィードバックを重ねることが重要です。
     社員は“評価点”ではなく“存在の価値”を知りたいのです。

  2. 日常に「感謝と承認」を増やす
     「ありがとう」「助かった」の一言が職場の空気を変えます。感謝の言葉が飛び交う組織では、チームワークも自然に高まります。

  3. “リフレッシュの仕組み”を制度化する
     特に20〜30代社員の離職理由に多いのが「休めない」「気持ちが切り替わらない」。定期的にリフレッシュ休暇や1on1面談を設け、心身の回復をサポートしましょう。

  4. 経営理念を「幸せの軸」として再定義する
     「社員の幸せとは何か」「会社の存在意義は何か」を改めて言語化し、全員で共有すること。理念を“飾るもの”ではなく“判断の軸”にすることが、ウェルビーイング経営の第一歩です。

実務ワンポイントアドバイス

ウェルビーイングの向上は、「働き方改革」や「健康経営」とも密接に関連します。
まずは、社員アンケートなどで現状を“見える化”しましょう。項目例としては、「自分の仕事にやりがいを感じる」「上司に相談できる」「会社の理念に共感している」「リフレッシュできている」など。結果をもとに、改善策をPDCAで回すことが大切です。

また、労務管理の面では「メンタル不調による休職」「長時間労働」「人事評価への不満」などがウェルビーイング低下のリスク要因になります。
社内規程を整備し、面談記録を残すことで、トラブル防止と再発防止の両面から備えられます。

中小企業だからこそ、「顔が見える距離で支え合う」組織文化を育むことができます。社員の幸せは、経営者の幸せにもつながります。ウェルビーイング経営は、数字だけでなく“人の心”を豊かにする、これからの時代に最も価値ある投資です。

 

 

 

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