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新卒が求める会社とは?出社志向・転勤・コミュニケーションから読み解く採用戦略

現役大学生の本音調査2026の要点まとめ

株式会社ベネッセi-キャリアが実施した調査によると、現役大学生の働き方に対する価値観は、従来のイメージとは異なる傾向が明らかになりました。

まず注目すべきは、「出社してオフィスではたらきたい」が37.6%で最多となり、前年より約1割増加している点です。テレワーク志向一辺倒ではなく、「対面でのコミュニケーション」や「直接学びたい」という意識が強まっています。

また、残業については「理由があれば月15時間以内なら許容」が最多で、「まったく残業したくない」は約1割にとどまりました。一定の成長機会として残業を前向きに捉える層も存在します。

転勤に関しては、「納得できる理由があれば容認」が約6割を占めました。一方で「絶対に転勤したくない」は約2割にとどまり、多くの学生が条件次第で柔軟に考えていることが分かります。さらに特徴的なのは、転勤を避ける際に「退職ではなく会社と交渉する」と回答した学生が過半数を占めた点です。

加えて、職場でのコミュニケーションにおいては、「上司と1対1で対面指導」が約7割と圧倒的であり、職場交流会についても約半数が「業務時間外でも参加したい」と回答しています。

これらの結果から、現代の学生は「合理性」だけでなく、「納得感」や「人との関係性」を重視していることがうかがえます。

キーワードは「納得感」と「対話」

今回の調査結果を一言で整理すると、「納得できるなら受け入れる」という傾向です。

例えば転勤についても、単に制度として存在すること自体が問題なのではなく、「なぜその転勤が必要なのか」「自分にとってどんな意味があるのか」が説明されているかどうかが重要です。

これは労務管理の観点から見ても非常に重要なポイントです。近年は、配転命令の有効性においても「業務上の必要性」や「本人への不利益の程度」に加えて、説明の有無や合理性が重視される傾向があります。

また、「対面でのコミュニケーションを求める」という点も見逃せません。テレワークが普及した一方で、若手にとっては「学ぶ機会」や「人間関係の構築」が重要であり、これを補完できない職場は定着率に影響を与える可能性があります。

さらに、「退職ではなく交渉を選ぶ」という傾向は、中小企業にとって大きなチャンスです。これは裏を返せば、「対話ができる会社」であれば人材は離れにくいということを意味します。

つまり、制度の良し悪し以上に、「説明」「対話」「納得」というプロセス設計が、これからの人材確保・定着の鍵になるといえるでしょう。

中小企業が今すぐ見直すべき3つのポイント

今回の調査結果を踏まえ、中小企業がすぐに取り組むべき実務対応は次の3点です。

①「制度の説明力の強化」

転勤や残業などの制度について、「なぜ必要なのか」「どんなメリットがあるのか」を言語化できていない企業が多く見られます。就業規則に書いてあるだけでは不十分であり、面談や採用時に具体的に説明できる状態を整えることが重要です。

②「対面コミュニケーションの設計」

特に若手社員に対しては、意図的に1on1ミーティングやフィードバックの機会を設けることが必要です。単なる業務指示ではなく、「成長支援」の場として設計することで、エンゲージメントは大きく変わります。

③「交渉できる職場づくり」

今回の調査で明らかになった通り、若手は不満があってもすぐに辞めるのではなく、まずは会社と話し合う傾向があります。この機会を活かすためには、「言いにくいことでも言える雰囲気」をつくることが不可欠です。相談窓口の設置や、上司のコミュニケーション研修なども有効です。

中小企業においては、制度の充実度で大企業に勝つことは難しい場面もあります。しかし、「納得できる説明」と「顔の見える対話」は、むしろ中小企業の強みです。

この強みを活かせるかどうかが、これからの採用・定着を大きく左右するポイントになるでしょう。

 

 

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