新入社員の約9割がAI活用を希望!中小企業が今すぐ取り組むべき教育のポイント
新入社員のAI活用意欲は約9割 ― 調査結果から見える現実
日本能率協会が実施した「2025年新入社員意識調査」によると、新入社員の約88%が「AIによって仕事の仕方が変わる」と考えていることが分かりました。さらに、AIを使った仕事に対しても、「したい」と回答した人が28.5%、「機会があればしたい」と回答した人が61.3%と、合わせて約9割が前向きな姿勢を示しています。
一方で、学歴別に見ると大学・大学院卒では約3割が「積極的に使いたい」と答えるのに対し、高校卒は13%に留まっています。この結果は、新入社員全体のAIに対する意識は高いものの、個々のITリテラシーには差があることを示しています。
また、使用経験のあるAIツールとしては、ChatGPT、Gemini、Copilotが上位に挙がっており、すでに新入社員の間でもこれらのAIを業務に活用したいというニーズが高まっていることが分かります。
中小企業に求められるAI教育の重要性
今回の調査結果は、新入社員のほとんどがAI活用に前向きである一方、学歴やこれまでの経験によりITリテラシーに差があることが明らかになったということで参考になります。
しかしながら、中小企業では従業員の教育体制が十分でない場合も多く、このままではAI活用の機会格差が生まれる可能性があります。特に、高校卒やAI経験の少ない社員にとって、AIツールを使いこなすハードルは高いままです。
そのため、企業としては以下のポイントを意識した教育の仕組みづくりが重要です
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全社員を対象とした体系的なAI教育
新入社員だけでなく既存社員も含め、AIの基本操作や業務活用方法を学ぶ場を用意する -
実務に直結した学習プログラム
AIツールを使った資料作成、データ分析、日常業務の自動化など、業務で使えるスキルを中心に教育 -
社内サポート体制の整備
不明点を相談できる先輩やマニュアルを整備し、学習と業務の両立を支援することで、社員の不安を軽減
これらの取り組みにより、AI活用の遅れによる業務格差や社員の不安を減らし、全社員が効率的に働ける環境を整えるのに役立つと思います。
今すぐできるAI教育の第一歩
中小企業では、社内アンケートなどで、社員のAIリテラシーや関心を把握することから始めたいですね。どのツールを使いたいか、どの業務にAIを活かせそうか、どこで不安を感じているかを明確にするだけでも、教育の優先順位が見えてくるでしょう。
次に、短時間で学べる社内研修やマニュアル作成を行い、少しずつ業務に取り入れていくことが大切です。初期投資は少なくても、社員全体のスキル底上げと業務効率化、さらには人材定着にもつながります。
AI教育は中小企業の競争力強化に直結
今回の調査から、新入社員の多くがAI活用に前向きである一方、学歴や経験による差があることが明らかになりました。中小企業が今後も優秀な人材を確保し、効率的に業務を進めるためには、全社員を対象とした体系的かつ実務直結型のAI教育が不可欠です。
まずは社員のニーズを把握し、社内研修やマニュアル整備から始めることで、AI活用の土台を作ることができます。AI教育は単なるスキル習得ではなく、社員の働きやすさや企業の競争力向上にも直結する重要な課題ですね。

人事組織コンサルタントとして『ヒト』に関する課題の克服にも尽力。
経営理念の作成・浸透コンサルティングを得意とし、人事評価制度の作成や教育研修講師も含め、企業組織文化の醸成に取り組む。
経営理念に関する電子書籍を多数出版。
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