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中小企業が知っておくべき“退職・離職”の兆しと対応策 ― 若手・中堅社員の離職意向を防ぐ3つのポイント

日々、多くの経営者から「せっかく採用した若手が辞めてしまう」「中堅社員の退職が相次ぎ組織が不安定になる」といった声を耳にします。特に従業員数50人前後の企業では、一人の退職・離職が経営全体に大きな影響を与えかねません。

本記事では、最新の調査結果を踏まえながら、若手・中堅社員の「退職・離職」の兆しとその背景、そして中小企業が取るべき具体的な対応策について解説します。

若手・中堅社員の離職意向が高まる時期とは?

リクルートマネジメントソリューションズが2025年に発表した調査によれば、社員が「退職・離職」を強く意識するのは 入社3年目57年目 のタイミングが多いとされています。

入社3年目

業務範囲が一気に広がり、一人前として成果を出すことを期待される一方で、仕事量や責任が増すことによりプレッシャーを感じやすい時期です。成長実感と同時に、強い負担感も伴いやすくなります。

入社57年目

ある程度仕事をこなせるようになり、安定した戦力となる一方で、「これ以上成長できるのか」「将来のキャリアはどうなるのか」という不安が出やすい時期です。ここで適切なキャリア支援がないと、停滞感や静かな退職(やる気を失い最低限の業務しかしない状態)につながる恐れがあります。

こうした時期を「退職・離職リスクの山場」として経営側が把握しておくことが重要です。

価値観の違いが組織適応に与える影響

社員の価値観は大きく「仕事重視」か「生活重視」に分かれます。調査では、若手・中堅社員の約75%が「生活重視」、25%が「仕事重視」という結果でした。

さらに「現在起点型」か「目標志向型」か?というキャリア観を組み合わせると、社員の働き方への適応傾向が見えてきます。

  • 仕事重視 × 現在起点型
     与えられた業務に意欲的に取り組み、スキルを広げていく傾向。早期から幅広い経験を積ませると効果的です。
  • 仕事重視 × 目標志向型
     将来像を描き、それに向けて努力するタイプ。明確なキャリアプランや挑戦機会を提示すると定着率が上がります。
  • 生活重視 × 現在起点型
     「今を大事にしたい」志向が強く、無理な目標を課すと逆効果。小さな成功体験を積ませながら、徐々に将来像を描くきっかけを与えることが有効です。
  • 生活重視 × 目標志向型
     安定を求めつつも将来を考える層。ワークライフバランスを確保しながら、キャリアパスを提示すると安心感が得られます。

このように、社員の価値観を理解しないまま一律の育成や評価を行うと、ミスマッチから「離職」に直結してしまうのです。

離職・停滞・静かな退職を防ぐ柔軟な育成とは?

退職や離職を防ぐためには、「先手を打った育成」と「柔軟な関わり方」が不可欠です。

  • 成長の前倒し機会を与える
     将来必要となるスキルや経験を、計画的に少しずつ任せることで、社員は「期待されている」という実感を持てます。
  • 価値観に合わせた支援
     生活重視の社員には「無理のない成長」、仕事重視の社員には「挑戦の機会」を用意することで、双方のやりがいを引き出せます。
  • キャリア面談の活用
     形式的な評価面談ではなく、本人の感じている不安や希望を共有できる場をつくることで、早期に課題を発見できます。

中小企業では人的資源が限られるからこそ、個々の社員の特性を踏まえた柔軟な関わりが特に効果を発揮します。

中小企業が今日から実践できる3つのアクション

では、具体的にどのような行動を取ればよいのでしょうか。明日から実践できる3つのアクションを提案します。

  1. タイミングを把握する
     入社3年目、57年目の社員に特に注目し、仕事ぶりや表情の変化を観察してみる。小さなサインを見逃さないことが、退職防止の第一歩です。
  2. 価値観を聴く面談をする
     「生活と仕事のバランスをどう考えているか」「将来どんな働き方を望むか」を聞き取りましょう。本人の価値観に合わせた対応ができれば、離職リスクを大きく減らせます。
  3. 小さなチャレンジ機会を用意する
     大きな責任を一気に負わせるのではなく、少し上のレベルの仕事を段階的に任せることが有効です。成功体験が積み重なれば、社員は前向きに働き続けます。

 

中小企業では、離職が1人発生するだけで現場の負担が急増し、他の社員の退職を誘発する連鎖離職につながるリスクがあります。

「退職・離職は防げないもの」と諦めるのではなく、社員の価値観やキャリア観を理解し、先手を打った対応を取ることが求められます。これは決して特別な仕組みや高額な制度導入を意味するものではありません。日常的な面談や対話、そして小さな成功体験を積ませる工夫があれば、十分に実現可能です。

ワンポイントアドバイス

「感想面談」を導入してみる
評価や査定のための、いわゆるフィードバック面談ではなく、社員の率直な感想を聞く場を設ける。

質問例:

  • 最近の仕事で嬉しかったことは?
  • 逆にモヤモヤしたことは?
  • 今後挑戦してみたいことは?

この3つを聞くだけで、社員のモチベーションの方向性や不安要素を把握できます。紙1枚の簡単なシートでも構いません。定期的に行うことで、「離職の兆し」を早期に発見し、予防につなげられるでしょう。

 

退職・離職は、企業にとって避けては通れない課題です。しかし、若手・中堅社員が退職を考えやすい時期や価値観の違いを理解し、先手を打った柔軟な育成を行うことで、そのリスクを大きく下げることができます。

中小企業にとって、人材は何よりの資源です。だからこそ「人を活かす仕組み」を整えることが、長期的な経営の安定につながります。ぜひ本記事で紹介したアクションを参考に、自社の人材戦略を見直してみてください。

 

 

 

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