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「人が動かない組織」の共通点とは?行動経済学×組織心理学でわかる対策

1. はじめに:「制度は整っているのに人が動かない」に心当たりはありませんか?

「社内制度を整えたのに若手が育たない」
「経営理念を掲げても社員が動いてくれない」
「管理職が変化に対応しようとしない」

そんなお悩みを抱える中小企業の経営者は少なくありません。
実はその背景には、人間の行動原理に反した制度設計やマネジメントがあるかもしれません。

本記事では、行動経済学や組織心理学の知見をもとに、組織が「人を動かす」ための本質をお伝えします。

2. 行動経済学と組織心理学とは?経営に活かすべき理由

まずはこの2つの学問について簡単に触れておきましょう。

行動経済学とは、「人は必ずしも合理的に判断・行動しない」という前提から、現実の人間の意思決定を読み解く学問です。
また、組織心理学は、集団の中での個人の心理や行動を分析し、より良い組織運営を導くものです。

つまり、「人がなぜ動くのか(あるいは動かないのか)」を解き明かす学問なのです。
経営や人材育成にこそ、この“行動の科学”を活かす必要がありますよね。

3. よくある失敗①「学ばない若手社員」への誤ったアプローチ

「最近の若手は受け身で学ばない」と嘆く社長の声をよく聞きます。
でも、それは“個人のやる気の問題”ではなく、「環境が行動を引き出していない」可能性があります。

たとえば、「発言すると否定される」「失敗をとがめられる」・・・そんな職場に心理的安全性はありません。
また、内発的動機づけ(やりがいや意味)を無視して、「目標を与えるだけ」の指導では、若手の成長は期待できません。

若手の“行動を引き出す設計”こそが、経営者の役割なんです。

4. よくある失敗②「経営理念が浸透しない」組織構造

経営理念は、ただ“社内に貼るだけ”では意味がありません。

行動経済学では「選択アーキテクチャ(行動設計)」という考え方があります。
理念もまた、「記憶に残り、行動につながる形」で設計する必要があります。

たとえば、
・理念をストーリー(動画)で伝える
・行動指針とセットで活用する
・朝礼や1on1など、あらゆる側面で反復活用する

こうした仕組みによって、社員の頭と行動の中に理念が根づいていきます。

5. よくある失敗③「変化できない管理職」問題

多くの企業で、若手よりも深刻なのは「学ばない管理職」です。

組織心理学では、権限を持つ人ほど自己評価が歪みやすいという研究結果があります。
そのため、「自分は十分やっている」と思い込み、学びを止めてしまうケースが多いのです。

定期的な外部刺激やフィードバックの設計、上司同士で学び合う機会などが、変化を後押しします。何も年齢のせいではないんですよ。

6. 行動を生み出す組織づくりとは?行動設計の重要性

人は「やる気があるから行動する」のではなく、
「行動できる環境が整っているから動く」のです。

たとえば、
・面倒な申請を簡単にする
・報告や振り返りの仕組みを日常化する
・行動に対するフィードバックを即時に行う

これらはすべて、「行動が起きやすいデザイン」です。制度の前に、まず行動設計を見直しましょう。

7. 成功事例紹介:行動心理から再設計した企業の実例

ある企業では、経営理念をストーリーに落とし込み、「自分たちは何者なのか」を日常会話で語れるようにした結果、離職率が大きく低下しました。

また別の会社では、管理職が「部下の動機づけタイプ」を把握し、関わり方を変えたことで、若手の主体性が大きく向上したそうです。

8. 経営理念は“人の行動”から逆算

理念は“掲げるもの”ではなく、「行動を導く道しるべ」であるべきです。

経営理念策定の際には、
「この理念を信じた社員は、どんな行動を取るだろう?」
「それを日常でどう見える化できるか?」
という視点で設計していくことが重要です。

9. 経営者が明日から実践できる3つのアクション

1. 社員の「行動が起こる瞬間」を観察してみる
2. 経営理念のストーリー化に挑戦してみる
3. 管理職に“学ぶ場”をセットで提供する

小さな行動変容の積み重ねが、組織全体の変化につながります。

10. まとめ:人の行動を理解することが、理念浸透と組織変革の第一歩

制度や仕組みだけを整えても、人は動きません。
人の「心」と「行動」から逆算して設計することで、はじめて組織は機能しはじめます。

経営理念とは、“人の未来の行動”を方向づけるものです。

経営理念策定においても、「人はなぜ動くのか?」という視点は欠かせません。
人が本当に動く組織づくりに、ご自身の経営哲学をどう結びつけるか――
今一度、見直してみませんか?

 

 

 

 

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